日本話し方センター社長・横田章剛のブログ

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2023年2月25日「人前で話せない・・・」どうしたらいい?


★人前での話が苦手な人は多い


日本話し方センターのベーシックコースには「人前で話すことが苦手で今まで逃げてきたが、職位があがって逃げられなくなった」「人前で話したが途中で頭が真っ白になり大失敗した」などの悩みを持っている方が多数受講されています。また、先日アタックスグループ主催の社長塾に講師として登壇した際、参加者に話を聞いてみると、やはり人前で話すのが苦手で困っているという人が大半でした。このように『人前で話せない』という悩みを抱えている人は世の中にとても多いようです。
そこで、今回は『人前で話せない』ということについて、その原因と改善策をお話します。




★話せない原因は主に3つ


まず、人前で話せない原因について考えてみましょう。人によって原因は様々ですが、主なものとして次の3つです。



◎あがってしまう

一つ目は、人前に出るとあがってしまうことです。いわゆる『あがり症』です。
あがり症の表れ方は人によってまちまちですが、最も多いのは『頭が真っ白になる』ということでしょう。人前に立った途端、事前に考えていたことを全て忘れてしまう、というものです。せっかく話すことを用意していてもそれをすっかり忘れてしまうのでは話せないのは当然です。
それ以外にもあがりの症状には、手足が震える、息苦しくなる、視線がキョロキョロする、「え~、あの~」という言葉ぐせが出る、などがあります。どれも落ち着いて話すことができない症状ばかりです。人前で話ができるようになるために、真っ先に改善したいことです。



◎話す材料がない

二つ目は、話す材料がないということです。いわゆる話のネタを持っていないということです。
人前で話せないのはあがってしまうから、と思っている人がとても多いですが、実は話す材料がないことも大きな原因です。例えば、朝礼でスピーチをすることが決まったら、その時から「何を話そうか?」と話す材料を探したりしていませんか? 探しても見つからず、仕方がないので適当な話題で話をしてしまうこともあるのではないでしょうか。話す話題に自信が持てれば、人前での話もそれほど苦痛ではなくなります。しかし、自信が持てない話をしていると「こんな話、面白いと思ってもらえないだろう」と思いながら話すので、話すこと自体、とてもストレスに感じてしまいます。このように話す材料を準備することは、人前で話す上でとても大切なものなのです。



◎話が組み立てられない

そして三つ目は、話がうまく組み立てられないということです。
話す材料が用意できても、それを聞き手が分かるように、そして興味を持って聞いてもらえるようにするには、話の構成がとても大事になってきます。しかし、現実には、何を話すか整理せずにいきなり話し始めたり、3つや4つの言いたいことを同時に話したりするので聞き手に理解してもらえないということがよくあります。話は事前に整理して組み立てておかないと、聞き手に伝わる話にならないのです。




★すぐに話せるようにはならない


ここまで人前で話せない原因について述べてきました。ここからは、その改善策についてお話したいと思います。
但し、これらの改善策には即効性はありません。なぜならば話し方はスキルだからです。スキルとは自分で実際にやってみて初めて身につくものです。そしてそれをやり続けることで習慣にすることができるものです。『わかる』レベルではなく『できる』レベルの修得が必要なのです。
従って、これから述べることに納得されたら、1つだけでもよいのでまずご自身でやってみてください。


なお、原因で三つ目にお話した『話が組み立てられない』については、お伝えすることが多いため今回は割愛して別の機会にお話することとします。『あがってしまう』と『話す材料がない』の二つの改善策についてお話します。



★あがり症の改善策


まずあがり症を改善する方法について幾つかご紹介します。



◎大きな声で話す

一つ目は、大きな声で話すことです。
人前で話している人は、自分を見ている聞き手の目から無言の圧力を感じます。聞き手は他意なく話し手を見ているのですが、人は他人の目は恐いと思うものなので、話し手は圧力を感じてしまうのです。そしてそれがあがりにつながってしまいます。
この聞き手の無言の圧力をはね返すには、話す側も圧力を発しなければなりません。それには大きな声で話すことがとても効果的です。大きな声を出すことで話す勇気が湧いてきます。また、勢いのある話ができるので話し方にも自信が持てるようになります。


このことについて過去にtwitterにも投稿しています。






◎事前に練習する

二つ目は、話す前に練習することです。
人前であがって話せない最大の原因は準備不足です。話す内容をまとめた原稿を作っただけでは準備としてはかなり中途半端。人前で落ち着いて話すことはできません。少なくとも次のような準備が必要です。


まず原稿は話の要点だけを書いたものを作ります。話すことを一字一句きちんと書いた原稿を用意する人も多いようですが、10分以上のスピーチを一字一句間違いなく話すことはかなり難しいです。また途中で詰まってしまうと次の言葉が出ず、立ち往生してしまいます。要点だけを書いた原稿で、話の構成をきちんと組み立て、話す時は半分アドリブで話す方がはるかに話しやすいのです。


しかし、いきなりアドリブで話すと、これも言葉が出なくて立ち往生の原因になるので、自然と話ができるまで何度も声に出して練習をしましょう。私は過去、結婚式の主賓の挨拶を頼まれた際、要点だけの原稿で何度も事前に練習しました。その結果、本番ではほとんど緊張せずに話せた経験があります。声に出して何度も練習することをぜひやってみてください。



◎場数を踏む

あがり症を改善する方法の三つ目は、人前で話す場数を踏むことです。
人前で話す経験を繰り返すと次第に場慣れしてきて、あがらずに話すことができるようになってきます。
但し、場数を踏むにしても毎回失敗ばかりしていては話し方は上達しません。小さな成功体験を積み重ねることで上達していきますので、できれば専門家のアドバイスを受けながら場数を踏むと効果は格段に違ってくるでしょう。




★話の材料の作り方


続いて、話の材料作りに関する改善策をお話します。



◎集めようという意識を持つ

話の材料は、日常の生活の中から幾つでも得られます。忘れ物や勘違いなどの軽い失敗談をはじめとした自分の体験や、ネット記事やテレビで見たもの、人から聞いた話など、話にできる材料はそこら中に転がっています。しかし、私たちは普段そうした材料にできる物事にほとんど意識を留めずにスルーしてしまっています。これはとても勿体ないことです。
普段の生活の中で話の材料にできそうなものを集めようという意識をまず持ってください。



◎観察力を働かせる

集めようという意識を持ったら次にやることは、それらの物事をしっかりと観察力を働かせて見ることです。
皆さんは道路に設置されている信号機の赤色は3つ並んでいるランプの右側か、左側か、即答できますか? この問いかけに、自身を持って即答できる人は多くないでしょう。私たちは普段信号機をそれほどしっかりと見ていないからです。青で進む、赤で止まるということが認識できれば十分で、どちらに赤があるかまでは見ていなくて当然です。


しかし、話の材料を集める場合は、材料になりそうなものを信号機を見るのと同じような感覚で見ていてはいけません。その物事を細かい所までしっかりと観察することが大切です。
例えば、電車でいつまでも泣き止まない子供が、年配の女性が「どうしたのかな~?」と笑顔で話しかけたらすぐに泣き止んだ、という光景を目にしたとします。その場合に、お母さんの様子、子供の様子、他の乗客の様子などを興味を持って観察します。また、お母さんの気持ち、この女性の気持ちなどを推察してみます。こうした観察力を持つことによって、この光景を話の材料にすることができます。



◎自分の意見をつける

観察力を持って材料になりそうな物事を見つけられたら、最後はそれに対する自分の意見をまとめておきましょう。
上の例で言えば、子供が泣き止んだ事実をそのまま話しただけでは、他の人が興味を持って聞いてくれる話しにはなりません。「話しかけることで泣いている子供の気をそらせることができた。話にはすごい力があるんだなぁ」「黙って『うるさいなぁ』と思うのではなく、積極的に話しかけることで子供は泣き止んだ。コミュニケーションを取ることは大事だなぁ」などの意見をつけることで、聞き手にも共感できる話の材料にすることができます。
見聞きした物事に自分の意見を持つことを習慣にしてください。


以上、『人前で話せない』ことへの改善策をお話しました。実は、人前で話せるようなると、話以外のことにも積極的になれます。これは日本話し方センターを受講した多くの人が実感していることです。そのためにも、上で述べたことを実行して人前で話せるようなっていただきたいと思います。





★人前で話すトレーニングをお手伝いします!


日本話し方センターのベーシックコース2日間集中コースは、話し方の専門家のアドバイスを受けながら、人前で話せるようになるトレーニングができるコースです。これらのコースはとても多くの受講生に好評をいただいています。
受講者の声を参考に、ぜひ受講をご検討ください!


 

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